病院に一泊入院して行われる睡眠時無呼吸症候群の精密検査、PSG検査について詳しく解説。検査項目や検査の流れ、大まかな費用についてもご紹介しています。
PSG検査とは、睡眠時無呼吸症候群を確定させるための精密検査。終夜睡眠ポリソムノグラフィー(Polysomnography:PSG)のことです。簡易検査よりもさらに詳しく、睡眠と呼吸の質を調べることができます。
PSG検査は、医療機関に一泊入院して行うのが特徴。頭部・顔・身体に電極を装着し、眠っている状態のデータを収集します。調べる項目は以下の通り。
得られたデータを解析し、無呼吸症候群の診断と重症度の評価が行われます。入院して行う検査ですが、仕事をしていても検査ができるよう、時間帯を配慮してくれている医療機関もあります。タイムスケジュールや入院時の注意点を、あらかじめ確認しておくようにしましょう。
ちなみに、検査費用は15,000~30,000円ほど。検査内容・諸費用・保険の種類によって金額は異なります。
検査当日は昼寝をしない、アルコールや睡眠薬の摂取を控えるなどの注意点があります。厳守しないと決められた日時に検査を受けられないこともあるので、しっかり準備をしておきましょう。
病院で問診の次に行われるのが、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査です。このページでは、簡易検査の内容と流れについて詳しく解説していきます。
簡易PSGとは、自宅で取り扱い可能な検査機器を使用し、睡眠時の状態をチェックする検査。手の指や手首、鼻の下にセンサーを装着して睡眠することで、いびきや睡眠中の脈拍数、血中の酸素飽和度などを検査します。
病院での検査と異なり、いつもと同じように自宅で眠りながら検査できます。しかし、自宅で行う簡易検査では評価に限界があります。睡眠の深さや脳波を検査するにはやはり病院で入院検査を受ける必要があります。
この検査で分かるのは、AHIと呼ばれる数値(無呼吸低呼吸指数)です。これは、睡眠中1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数。10秒以上の呼吸停止で「無呼吸」、10秒以上・換気量50%以上の低下で「低呼吸」と判断されます。
AHIによる重症度分類は、以下の通りです。
この数値をもとに、さらなる精密検査が必要と判断されれば入院によるPSG検査へと進みます。ちなみに、本格的な治療が必要となるのはAHI20以上。それ以下の数値は、保険が適用されません。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・治療を行っているのは、内科・呼吸器科・耳鼻咽喉科など。SASの検査・治療を行っているかどうかは各医療機関によって異なるため、事前に問い合わせる必要があります。
また、睡眠障害の外来を専門に取り扱っている医療機関もアリ。この場合は、SASの本格的な検査や最新の治療法などを取り入れているケースも多いようです。
SASの治療法はひとつではありません。自分に合った治療を受けられるかどうかも、病院選びのひとつのポイントとなるでしょう。
また、気になる費用についてです。SASの検査は基本的に保険適用であり、検査でSASと診断された場合は治療費も保険適用になります。
簡易検査は3,000円前後、入院して検査を行うPSG検査は10,000~15,000円ほど(諸経費別)が一般的。その後、本格的なCPAP治療を開始する場合は、機器を保険適用でレンタルできます(月に5,000円ほど)。
外科的手術を行う場合は、状態や術式によって費用は変化します。あらかじめ医療機関に確認しておくようにしましょう。