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睡眠時無呼吸症候群の遺伝について、考察してみました。
わかりやすい症状として、大きないびきが表れる睡眠時無呼吸症候群。周囲から指摘されても「たかがいびきくらいで…」と真剣に受け止めない人がいますが、生活習慣病や大事故につながる居眠りなどを引き起こす可能性があるので、注意が必要です。
その原因の筆頭に挙がるのが、肥満。また鼻炎や花粉症など、鼻呼吸の障害が生じることで引き起こされる場合もあります。
上記のように無呼吸症候群は、後天的な原因で発生することが多く、遺伝性はないと考えられます。「子供に遺伝したら…」という心配は、ひとまずないと思っておきましょう。
無呼吸症候群そのものが遺伝することはないものの「太りやすい」、「花粉症にかかりやすい」などの体質が遺伝した結果、親子揃って無呼吸症候群患者となる可能性は否定できません。このような不安がある人は、ダイエットに励むなど、意識的な予防に努めて下さい。
また無呼吸症候群そのものは、就寝時に何らかの要因が上気道を塞ぐことで発生します。「生まれつき顎が小さい」など体型の遺伝により、発症する可能性もあると知っておきましょう。
日本人をはじめとするアジア人は、欧米人に比べると顎が小さく、鼻が低いという特徴があります。この輪郭が、無呼吸症候群を引き起こしやすいのは確か。欧米人に比べると、どうしても気道が狭くなりがちなのです。
また近年、美貌の特徴のひとつとされる「小顔」にも、同様のウィークポイントがあります。顔が小さく、顎が細いと舌根が上気道に触れやすいため、無呼吸症候群が引き起こされやすくなるのです。「いまのところ心配ない」という人でも、油断は禁物かもしれませんね。
成人病のひとつと思われがちな無呼吸症候群ですが、子供が発症することもあります。
その原因は扁桃腺やアデノイドなどの肥大により引き起こされることがほとんど。睡眠中に息苦しくなると、子供はまだやわらかい胸骨をへこませて呼吸しようとするため、「胸郭の変形」という結果を招いてしまう可能性があります。
子供の無呼吸症候群は、病院での治療(扁桃腺の摘出やアデノイドの切除)により改善しますので、異常ないびきがある場合はすぐに受診を検討して下さい。